ライトバスからコースターへ

1.惜別!トヨタ ライトバス

 昭和44年、いよいよライトバスの歴史に幕が下ろされることとなりました。昭和38年にデビュー以来、実に5年以上そのスタイルを変えなかったトヨタ ライトバス。もとがダイナから派生した車両であるが故に、そのダイナを連想させる鈍重な印象のスタイリングはもはや時代に取り残されつつありました。世は正にハイウェイ時代。同じ年の5月には東名高速道路も全線開通している事がそれを象徴しています。ライトバスの後継となるライトバス、それが今でも名前が残っているトヨタ コースターです。

2.陸の快速船、トヨタ コースター登場

 昭和44年2月、トヨタはトヨタコースター(RU18)を発売しました。前モデルであるトヨタ ライトバスとの共通点は普通免許で運転できるマイクロバスであることとエンジンといったところで、車体に関係するところはその殆んどが新設計となっています。全長はライトバスよりも240oも長い6080o。車体が長くなったことに伴って、乗車定員が1名増え、標準仕様で26人乗り、クーラー装備で22人乗りとなっています。全高は2275oとライトバスに比べて25oしか高くなっていません。このデータだけでもスピード感を呼び起こすスタイリングというのは想像に難くないでしょう。広いグラスエリア、リベットの頭も出ていないボディ、直線的なデザイン。カタログの言葉を借りれば、スマートで軽快、しかも明るいスタイルになっています。デラックス仕様車に至っては、マイクとラジオを装備しています。ダイナとシャーシを共用していることはここに至っても変わりませんが、一目見ただけではわからないスタイルです。なお、コースターとは港から港へてきぱきと走り回る巡航船のことだそうで、グラスの下に敷くコースターではないとのことだ。

RU18コースター

昭和44年に登場したRU18 写真はデラックス仕様のカラーリング
しかし、特別に運転手を用意しなくてもいいのが売りだったはずなのだが…。